神田の赤レンガはレトロ感満載

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意外と赤レンガが多い神田

取り立てて神田に行きたかったというわけではない。近くにある神保町や湯島、御茶ノ水の風景を目当てに神田を通る。 この街の観光名所と聞かれてぱっと思い浮かぶだろうか?湯島なら湯島天神や湯島聖堂、お茶の水ならニコライ堂など周辺地域であれば有名なスポットが数多くある。 そんな認識だから神田は素通りしやすい。

神田はどちらかというとビジネス街で観光で来る街というより仕事で必要な場所という知られ方のほうが多い出のではないか?自分自身そうだし写真を撮るにもかんだ界隈はちょっと難しい。 得に神田は出版関係の会社が多いことで有名だ。通りを歩いていても出版関係と思しき看板があちらこちらで見られる。隣の神保町も古書店街で有名。

そんな神田で気づくのは赤レンガのある風景があること。といってももっぱら線路沿いだけに尽きるのだが赤レンガが神田川に並ぶようにして続いている風景はレトロな印象をもたらす。 またそんな風景にあわせてつくられる町並みも絵になっている。色あせた赤色の高架下にすっぽりと収まる感じではいる店舗は新しくて瀟洒であり且つ時代的である。

新しいけど古い街並み

仮にも、というより地理的に見ても機能的に見ても神田は東京都心の中心に位置する。そのために開発などが頻繁に進む地域でもある。 高層ビルが隣立しビジネス街の風景を生み出しているだけでなく数メートル先に地下鉄の駅なりJR線なりがあるといった利便性が集約した地域でもある。 もし私が鳥になった気分で上空から神田を俯瞰すれば間違いなく神田は「新しい」と形容することだろう。

そんな新しい神田において赤レンガは古き時代の名残をこの地域に残し進取的な街に懐古的な側面を発現している。いわば嘗ての神田の、いや東京の語り部としてこの地に残っているという印象を抱いた。 日本においてレンガが使用されたという事実に嘗ての日本が目指した姿を窺い知ることができ色あせた赤は経年の長さを教えてくれる。

感慨深いのはそんな赤レンガをみんなが大切にしていること。今風な店であっても赤レンガの風景を台無しにするような店舗がこの辺にはない。 赤レンガが地域の拠り所になっているのだと断言するのは私の揣摩臆測であるが、それだけ人々に愛されているのだろうと考える証左になりうるのは事実である。

万世橋

赤レンガの印象を語る上で忘れたくないのが万世橋と神田川。

万世橋は地名であると同時に昔の駅名でもあった。ネットで適当に調べてみると意外に大きな駅であったらしい。この辺はあまり詳しくないのですいません。現在は地名と橋脚としてその名残を知ることができる。

万世橋からは赤レンガがどこまでも続く光景を見ることができる。そうやって見てみるとずっと先まで伸びていることがわかる。そして神田川の毒々しいエメラルドグリーンと相俟って産み出される不思議な色合いはなぜか懐かしさを感じさせる。