千住汐入大橋から見るスカイツリーと隅田川

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隅田川に架かる橋

そぞろな目的のためにカメラを持って綾瀬駅から南下し1時間以上は経ったろうか?公園などさまざまな風景が目の前を横切っていき若干開けた場所にでる。尤も半分以上は住宅街や工場が多かったのは足立区だから仕方がない。 開放感を感じたのは無理もなく行く先に隅田川があるからだ。密集した住宅街を抜け出した私は宛ら水槽に放たれうきゃうきゃ泳ぎだす縁日の金魚のごとき開放感を味わい川沿いをズンズン歩いていく。

目の前に橋があり中腹部分に名前が書いてある。なんでも千住汐入大橋というのだそうだ。

なんの変哲もない橋梁である。だから通る車は気兼ねなく通るし渡る人は殊更足を止めるということもない。よくある橋の風景が広がっている。だから私もここに書くのはごく一般的な橋としての千住汐入大橋のさしさわりのない日常である。

特筆すべき点はスカイツリーが見えるということと隅田川にかかるということか。まあかの電波塔が物珍しいというのは最初のころの話だけでいまや東京の日常を紡ぎだすピースとして完全に埋め込まれている。 隅田川はうららと歌われるあの川のことであるが時代の違いからかそんな華々しいイメージはない。咲いたであろう川岸の花々はビルのコンクリートもしくは道のアスファルトに変わり寒々しい印象を脳裏に焼き付ける。

スカイツリーが見える

千住汐入大橋を渡ってみる。北千住方面を見透かしてみると一面のビル街が広がり燦々と太陽の光を受けるビル街が立錐の余地なく建ち澄み切った空気に心地よく浸るビルたちがいた。 右だの左だのむけば隅田川が当たり前のように流れているからここが橋の上だとわかる。すこし視線をあげればあのスカイツリーがあるのだ。

橋の感触は普通の橋と変わらない。踏みしめればアスファルトが沈み100人に1人が隅田川に放り出されるというペナルティはない。広い歩道は自転車も走行可能なようでスイスイ通っている。 欄干の手すりは新しい橋ということもあってかその辺のお金の掛けられない橋梁に比べ聊かきれいだったと半年後の私が回想している。

折角だからスカイツリーを眺める。隅田川と相性は抜群だねと感じたのは最初にこれを見た時の私の感想で今では当たり前の風景を当たり前に感じるだけとなった。しかし川の曲線と広がる東京の街 とのコントラストはここならではだろうか。もっとも当たり前の風景というのは視点を変えることで当たり前ではなくなる。そこに写真を撮る意義があるのかもしれない。

シーバスが釣れるらしい

千住汐入大橋付近の隅田川はそんなに広くない。私はよく確認しなかったのだがここはシーバスが釣れるのだそう。しかし遠くまで見回してみたがシーバスを釣っている人どころか釣り人はあまり見かけなかった用に思う。 河川敷でジョギングをする人が後ろを通り過ぎていく光景が何度もあったぐらいで川べりで何かしているという人はいなかった。そもそもあまり流れの傍まで近づける感じがしなかった。シーバスは 本当につれるのか。私にはわからない。

       

千住汐入大橋は足立区と荒川区をつなぎます

千住汐入大橋には吾妻橋のような華々しさがなければレインボーブリッジのようなダイナミックさはなかった。おそらくこの橋を目的に来ることはもうないだろうし他の人もそうであるに違いない。 この橋もそれを望んでいないだろう。スカイツリーはいつまでもあんな感じで流れる隅田川の水は普通に海にいってしょっぱくなるに違いないのだ。

この橋は東京の足立区と荒川区の境目になっていると地理的な意味を持っている。だから橋の向こうは違う世界が広がっているという異文化を体験できる橋である、というのはウソでかわり映えのない東京の 北部のよくある風景が広がっているだけである。

多寡が橋だが色々なものを持っている千住汐入大橋だった。尤も橋を渡る俺はそんなことを思っていない。