下谷神社にいるアヒルは可愛くて攻撃的

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年初の下谷神社へ

下谷神社へ行ったのは浅草寺へ年初の参拝へ行った帰りだった。騒然とした浅草寺での参拝を終え新鮮な空気に浸りながら浅草通りを上野駅方面へと進む。 どちらかといえば俺はくたびれ果てていたのかもしれない。年内始めての快晴だが外は年初ならではの寒さ。加えて車と人の少ない浅草通りが雰囲気を余計に寒くする。そんな気持ち的にも寒い中ただひたすら歩く。

と、大きな鳥居が見えてきた。人もそこそこいるようなのでせっかくだからよってみる。そここそ下谷神社だった。

アヒルがいるけど何で神社に?

下谷神社はいい具合の神社だった。セピア色の雰囲気をかもし出していた外回りはいかにも上野っぽい風情を感じさせてくれる。大きな鳥居こそ豪奢な感じがするが社殿や門などは衒うことなく控えめな印象。 そんな神社らしい下谷神社にある種期待を抱きながら前へずんずん進みふと右手を見るとアヒルがいた。アヒルがたらいの前でなんかやっているのが目に飛び込んできた。

白いからだに黄色いくちばし。ぷってり太った輪郭と水鳥なら誰もが持っているだろう水かき。一番驚いたのは人を怖がらないこと。アヒルの周りには人だかり。だけど泰然自若と盥の水を飲んでいる。 衝撃的だった。厳かな場所での諧謔だった。この神社とアヒルというミスマッチに俺は固定観念をかき回された。

思いがけない触れ合いと容赦ない攻撃

不思議な光景だった。俺はそっとシャッターを押し近づいてみる。アヒルは相変わらず水を飲んでいるだけだ。がしゃんと頭を水に突っ込んではくちばしをぺかぺかさせ鳥のような飲み方でのどを潤している。 まさに愛すべき存在だった。つぶらな瞳はぬいぐるみみたいでぱっとみすべてがぬいぐるみに見えた。抱いてみたいと思ったし触ってみたいと思った。もっと近づいてみる。

アヒルの目の色が変わった。少し怒っているような感じだった。水を飲むのをやめて一呼吸おいたアヒルはすぅとくちばしを俺に向ける。俺は愛くるしさに耽溺しアヒルという生き物を礼賛すらしていた。 次の瞬間ズダツと一閃のもとくちばしを俺に突き出した。衝撃だった。親父にもぶたれたことないのに。しかも矢継ぎ早に繰り出されけたたましい獣の鳴き声を発し俺を追い掛け回す。

怖かった。アヒルってこんなに怖い生き物だと思わなかった。後ずさりした。やられると思った。1mほど下がったところで威嚇がとまった。俺はほっとした。写真は攻撃の直前に撮影したもの。

意外と気分屋さんということでしょうか?

以上のように下谷神社では思わぬアヒルとの触れ合いと痛みわけがありました。結論から言うとアヒルはかわいかったです。またきたいと思いました。