境稲荷神社ー上野

境稲荷神社-上野

境稲荷神社は東京上野台東区池之端にあります。上野と聞くと東京でも有数の観光地として知られ多くの人が詰めかけている印象を持ちますがここ池之端はそうした中心地からやや外れた場所にあります。 不忍池から根津方面にかけてのエリアである池之端はアメ横などのような繁華街はなく人々の往来も多くありません。どちらかと言えばその地に住む方々が静かに暮らしている場所と言ってよく昔ながらの商店街や狭い路地などがあり生活感ある風景を見て取れます。そうした閑静な場所に境稲荷神社はあります。周囲を建物で囲まれており限られたスペースにコンパクトに収まっているという表現がぴったりの佇まいとなっています。

上記のような場所柄のために境稲荷神社はちょっと目立たない場所にあります。大通りである不忍通りから住宅街の狭い路地などを分け入って大きな鳥居を見つけることができます。近隣にある根津神社に比べれば敷地面積も断然狭くここを訪れる人もほとんどいませんでした。取り立てて目を引く建造物もなくよくある稲荷神社という印象が第一印象と言えます。

注目するべきところは「弁慶鏡の井戸」と呼ばれる井戸があることです。はたから見るとなんの変哲もない井戸でそれほど大きくもなく近くにポンプがあります。またそばには案内板が建てられており境稲荷神社と併せてその歴史などが書かれています。弁慶と聞くと屈強なイメージを抱きますがその井戸を見ると小ぢんまりしておりどちらかと言えば華奢なイメージを与えてくれます。

アクセス方法は根津駅から向かうのが最良と言えるかもしれません。周囲にこれといったスポットもなくなかなか足を運びにくい場所でもあります。しかしその地に根付いた伊吹のようなものを感じ長い年月に思いをはせることができるなど上野を知る手掛かりとなるのは確かです。また住宅街の中にぽつんと佇むさまはどこか微笑ましいと同時に池之端で暮らす人々に親しまれていることを感じさせてくれることは間違いありません。きれいにされた井戸の周りなどを見るとその思いを深めるばかりです。