アメ横の夕方

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日が暮れるまで活気を絶やさないアメ横

アメ横の夕方

何回かアメ横に訪れているがその喧騒ぶりは常に変わらない。南北に伸びた道の脇に構える店はいつも売り文句を叩いていてそんな声を聴きながら手書きで大雑把に書かれた値札や看板をしり目に歩くことは何回かしている。そして御徒町を過ぎ店もなくなるのであるがその時にアメ横はいつも変わらないと思うのである。いやパンダが生まれたりすると少し賑やかさの質が変わってくるのかもしれない。

夕方になってもアメ横は人が多い。夕方だから人が多いともいえるのかもしれずお馴染みである洋服や食用雑貨を買い求める人以上に食事をしに来る人々が多いといえるかもしれない。その顔触れは様々だった。大きな荷物を抱えた観光客が店の軒先に用意された机で食事をしていたり家族づれで訪れている人もいる。そして目立つのは海外からきている訪日外国人だろうか。威勢のいい店の声に交じってわかりそうでわからない言葉が雑踏の中を飛び交う。薄暗さと相俟ってどこか異国の情緒すら感じるときもある。特にちらほらと点灯する店の街灯がそうした雰囲気を一層引き立てる一方すぐ上を通る電車の通過する音を聞くと日本の風景なのだと思い返すのである。

人の多さは上野駅や御徒町駅からすぐ近いという立地もあるだろう。それ以上にアメ横独特の風景が好きで来ている人もいるかもしれず私もその一人である。軒先に並べられた商品と行きかう人々と並べられた休憩用テーブル。そして電車。全部がアメ横の良さであってそれはいつ行っても変わらない。