夏の新宿

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真夏となると目に見えて暑い

夏の新宿で太陽が映るビル

東京の暑さは有名である。ヒートアイランド現象といわれるオフィス街特有の暑さであり日の光の暑さというよりは空気が熱い。故に木陰で涼むといったこともできない逃げ場のない暑さでもあり2020年のオリンピックでも懸念されている事項の一つでもある。晴れた日に30度を優に超えるなど当たり前で照り付ける日差しを見ただけで外出することを躊躇う。

新宿は東京らしい暑さを教えてくれる場所の一つである。高くそびえるビル群は否応もなく熱を反射させ町全体を熱せられた空気で包む。見上げるとガラス張りの窓に照り付ける太陽が映っているのだ。どの季節よりも太陽が大きく明るく見えて眩しい。

しかしそんな熱い新宿で東京らしさを垣間見ることもできる。日傘をさしてデパートに入っていく人を見ると暑さをもろともせず買い物にいこうとする様子が窺える。ジュース片手に歩行者天国を闊歩する人々もいる。暑いとわかっているのに新宿に繰り出す。東京の人は他所の人から見るとあきれるようなことをすることがある。それが東京なのかもしれない。自分の経験だが神宮外苑でもあったがギンナンのにおいが酷い銀杏並木の下でコーヒーを飲む人の姿があった。路肩には高級車が止まり色づいた木々と相俟ってあざやかな風景となっていた。こうしたマイナスともとれる自然の中でしたいことをする、これが東京の人々が実践する風流なのかもしれない。

新宿駅はその日も慌ただしかった。