五條天神社

上野公園のはずれにある神社

寛永寺や上野東照宮、清水観音堂……上野公園の寺社仏閣と聞いて思い出すのはこれらかもしれない。実際これらの寺社仏閣は目立つところにあり代表的なものであることが疑いがないのだ。しかしこれ以外にも印象深い寺社仏閣が上野公園にはある。花園稲荷神社と五條天神社である。そのうち五條天神社を見てみたいと思う。 花園稲荷神社は上野公園の東寄りにある。そのさらに東にあるのが五條天神社。上野公園を普通に散策していたのではあまり目に留まらないかもしれない。花園稲荷の鳥居をくぐりさらにその境内を通り過ぎて石段を降りると五條天神社はある。社殿はやや古びている。その為か神社全体には少し重い空気が漂っている気がした。

境内を囲む植物

神社自体は地味である。しかしその周囲に咲く梅の花や銀杏といった様々な植物が慎ましく彩りを添えている。そしてそれが移りゆく季節を散策する人に感じさせる。ある時は桜の花びらが舞い、ある時は黄色い葉が地面を覆う。年中通してセミの抜け殻があるのはここだけかもしれない。

私が散策していた時は梅の花が咲いていた。狭い境内である。花の数こそ少ない。しかし控えめに咲く花が境内の落ち着いた雰囲気を掻き乱さない様子が和やかだった。

健康祈願の神社

「医薬祖神」と書かれている。そのため五條天神社には健康祈願を目的に訪れる人が多いと言う。因みに社殿近くまで行くことはできない。