日本銀行の扉は獅子に守られている

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鉄扉にあしらわれた獅子

日本銀行の鉄扉には獅子があしらわれていた。獅子がなぜか2本足で立ち何かを2頭で抱えている。まさに日本銀行ならではの造りだ、これぞ貨幣の頂点に立つ権威にふさわしいシンボルだと思って見たい。

しかし2頭の獅子は一体何をしているのだろうか?

日本銀行の獅子が表すもの。これは「エサの奪い合い」。獅子をみると肋骨が浮き出るほどやせている。飢えた2頭の獅子は同時に食べ物を見つけました。何れどちらかが負け死にます。この獅子の争いは資本主義を表します。あくなき富への希求と擯斥の過程は受容すべき資本主義の新陳代謝ということです。注目すべきはこの2頭が資本主義の最後の生存者であると言うこと。堆く積まれた札束の上でいがみ合う2頭に共存はありません。獅子ですから。そしてこの2頭の行く末は……。それは我々が未来に向けて考えることです。差し当たりマックスウェーバーの文言が脳裏をよぎります。

「精神なき専門人、心情のない享楽人。この無のもの(Nichts)は、人間性のかつて達したことのない段階にまですでにのぼりつめた、と自惚れるだろう」

さすが日本銀行。扉までウィットに富んでいるとは。いい勉強になりました。