神田の白旗稲荷神社はお祭りの季節

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あちこちにのぼり旗があった

日本橋界隈をずんずん歩いているとやがて神田に入ったらしく街の様子はがらりと変わるわけがない。この辺いったいは見渡す限りオフィス街もしくは商業施設が立ち並んだりする地域で休日のこの日はさほど混雑は見られなかった。 平日ならスーツを着た人々でが歩いているだろう歩道もどちらかといえば東京の観光目的らしい身なりの人々が多く手には紙袋などをぶら下げていた。曇り空とあってかやや外は寒くコートを着込んだ人が目立ち足早に歩いていた。

見上げるほどのビルを尻目に歩いていると路地裏の居酒屋などが立ち並ぶ地域にでてそこからやや開けた場所に行き着いた。道の両脇にのぼりが立てられてある。 「白旗稲荷神社」と書かれていたのでそっちらしい方角へ行くと件の神社。東京ではお馴染み狭いスペースにすっぽりと入る形で白旗稲荷神社はあった。しかしのぼり旗の数がとにかく多かった。それほど皆に愛されているわけだろう。近々祭りでもやるのだと思われた。

狭い土地にひっそりと建つ

何回も言うがこの神田から日本橋周辺はオフィスビルが立ち並び他であれば当たり前のようにある光景もここでは鉄筋コンクリートにかき消されるようにして湮滅している。そんな猫の額も借りたいと言わんばかりの土地にあるのが白旗稲荷神社である。

正面を見据えるにも少し道に出なければならない。石でできた鳥居はよくある感じだがさすがに狭小なだけあってやや小ぶりなのかもしれない。その下を潜れば即拝殿となるわけだが家紋があしらわれた引違の鉄扉がある。このクソ狭い敷地でしかも隣の建物のせいで 碌に光も当らないだろうと言うのに木々が目いっぱい緑を付けている。水のたまった手水舎を見る限り誰かが手入れをしているのかと思う。やっぱりお祭りでもあるのか、わらの飾りなどが鳥居や入口につけられて特別な日に向けて準備している という様子を窺い知ることができた。

小さな社の朱色は際立っていた。

土地柄白旗稲荷神社は薄暗く周囲の建物の影並びに閉塞感があるのは勿論曇りという天気が余計にこの場所を暗くする。参拝する人の少なさもさびしい雰囲気を生み出していた。唯一祭りの機運だけが白旗稲荷神社において人の温かみを窺い知る手掛かりとなった。

隅々まで見た後拝殿を眺める。すごくきれいで朱色の柱は神々しい雰囲気を出しところどころ金なのか金メッキなのかわからない装飾金具が厳かな佇まいを強調している感じだった。 とは言っても神田の小さな区画にすっぽり入った感じの佇まいは何ににもまして華奢な印象を来る人に与えることと思われるのだった。