光源寺(文京区)の梅

文京区にある高源寺の梅の花
光源寺(文京区)の梅の花

観音堂の両脇に生える蓬莱梅

梅の木は観音堂を挟むようにして植えてある。右にある木が若干大きい。梅と聞くと湯島天神のような敷地のあちらこちらに咲いているのをイメージするかもしれない。しかし光源寺の梅は控え目に咲いている。その風景がこの地域の風合いと馴染んでおり喧騒とはあまり縁のない向丘の地で静かに花を綻ばせる姿は情緒があるというべきだろう。そして案内板を見るとこの梅が蓬莱梅と呼ばれていることを知る。

2本の梅の木

2本の梅の木は一見しただけで経年の面影を見て取ることができる。黒く凸凹とした木肌は植樹され梅林として管理されているような梅とは異なり長い時間をかけて自然体に成長していったのではないかと推測できる。一方で観音堂の左右対称に植えられている均整の取れた様子からこの木を守る人によって手が加えられていることも見て取ることができる。たった2本の梅の木は華がないかもしれない。しかしその2本の木を何年も守ってきた人の心を考えると感慨深い。或いは変わらない季節の流れとしてみているここに住む人々の心。

文京区にある光源寺の蓬莱梅
光源寺の蓬莱梅

赤と白の花

紅白ではないが梅の木は赤と白の花を咲かせる。赤というよりはやや控えめな赤といったほうがいいかもしれない。その色は木肌の古さからは想像できないような鮮やかさで観音堂の白亜の壁と相俟ってコントラストを一層引き立てた印象を受けた。敷地の広さや周辺の建物が東京によくある過密感を出していなこともあってどことなく大きく感じられもする。