終戦の日の水道橋

8月15日の水道橋
8月15日の水道橋

水道橋駅の北に靖国神社

水道橋とは

水道橋は東京23区の中心よりやや北口に位置するといえる。靖国神社から歩いて1.5kmほどの距離にあり方角で言うと南西方向になる。皇居の北側に位置し千代田区の西側にある水道橋は普段は周辺の大学や医療機関などを訪れる人々が多い場所である。電車や地下鉄の乗換駅としても機能しており道から望むホームには電車を待つ多くの人を見ることができる。ざっくり言ってしまえばオフィス街であり学校も多い街となるだろう。神田川の上に橋が架かりさらにその上に駅のホームがある格好だ。橋の上から見る神田川はやけに深い。駅の目の前には交差点がありその北側には後楽園の遊園地が見える。車の往来も激しくタクシーが何台も交差点を通過していく。

水道橋は靖国神社の最寄り駅ではない

訪れたこの日夏の日差しが強くコンクリートの建物が林立する水道橋では熱気が強く感じられた。行き交う人の中には日傘をさしている人もいる。歩いている人はどちらかといえば若い人たちが多かった印象を受けた。おそらくここから靖国神社へ参拝に向かおうという人はほとんどいないと思われる。靖国神社へ行く人はもう少し年齢層が高くていい、というのは俺の偏見に過ぎない。特段いつもより駅の利用者が多いとは思われない。よくある休日の人出で学生などが中心なのだろう。因みに靖国神社の最寄り駅は九段下である。

セミが鳴いていた

水道橋のセミ
水道橋のセミ

水道橋駅近くの街路樹にてセミが鳴いていた。道路を走る車の騒音にかき消されそうになりながらも精一杯鳴いていた。ちょうど俺の手が届きそうなところにとまっている姿はいかにも夏の風物詩と言えたのかもしれない。木の影で鳴く姿からセミも都心の暑さに参っているのかと勘繰る。

東京都立工芸高等学校

水道橋駅すぐ近くに東京都立工芸高等学校がある。この高校なかなか校舎が大きくきれいでありとても公立とは思えない。お盆の最中であるこの日生徒らしい姿は見られなかったように思う。

8月15日の水道橋

水道橋の終戦の日
水道橋の終戦の日

重装備の警察

終戦の日である8月15日に出向くと水道橋の風景は一変する。道路の真ん中には鉄のバリケードが警察によって敷かれ警察官が大人数で周囲を警戒していた。30度を超える気温であるにもかかわらずヘルメットをかぶり防弾チョッキなどを着込んでいるから物々しい。特に駅周辺ではほぼ検問さながらに道路を封鎖しており車の侵入が容易でない様子がうかがえた。が、検問をやっている様子はない。道のわきには警察車両が何台も駐車されている。それはパトカーなどではなく護送車のような重厚なもので数十人が一度に乗ることができると思われる。

バリケードが道路に

バリケードは工事現場でよくみられるものに似ている。鉄パイプ製で高さは大人の腰ぐらいだろうか。そして民家の庭先にある片開きのゲートが所々についており車の侵入を阻止することができる。ただし常時開いていた。もしここに軽トラ程度の車が突っ込んできたら容易に突破できてしまいそうな気がする。尤も靖国神社からもやや遠いこの水道橋において過激な活動があるかと言われれば可能性は低いというべきかもしれない。多くの人がそう思っているのではないだろうか?それにもかかわらず警察の数の多さには少し面食らう。

比較的穏やかだった水道橋の8/15

終戦の日に合わせた警備増強であることは言うまでもない。ただしよくあるデモや拡声器を使った街宣などは一切見られなかった。そして終戦の日であることを知ってか知らずか行き交う人は何事もなく水道橋の横断歩道を渡る。特別多い警察隊員に特段奇異の目を向けるわけでもなく足しげく歩いてく。警察も神経をとがらせて警戒に当たっているという様子ではなく時々笑顔で歩いていく姿も見られた。そんな水道橋を俺は人込みに流されるようにして後にする。