上野公園は正しく上野恩賜公園と呼ばれるらしい。なぜそう呼ばれるかは公園の案内を参照してほしい。そうしたところからもこの公園が昔から由緒ある場所であることを窺い知ることができる。
東京の中心よりやや東より、山手線で言うと午後3時の位置にある上野。上野駅は東京での玄関口を果たし多くの人を迎え入れてきた。そのために上野を知る人は多い。そんな上野駅から降りてすぐ広がっているのが上野公園である。
上野公園に関する私の関心事は広いということ、いろんなものがたくさんあることといういことに尽きる。野口英世や馬に乗った皇族の銅像やらパンダのポスト、噴水、四季折々に違う花を咲かせる樹木たちなど上野公園はいつ行っても飽きない。 また花園稲荷神社や寛永寺などの神社も一息入れるのに最良の場所である。上野公園は文化と価値観が輻輳し多くの人を受け入れる土壌を醸成している。事実休日ともなると多くの人が押し寄せる。最近では外国の人も目立っているだろうか? そんな文化を継承する場所であると同時に東京を代表する観光スポットとしての役割も果たしている。
多種多様な価値観が収斂する公園だからこそその風景も独特である。シロナガスクジラの大きな模型があるかと思えば時代を感じる洋風建築の美術館もある。 そして奥の方に行けばパンダパンダパンダとパンダだらけ。端の方は神社が多く公園をちょっと出ると不忍池が広がっている。だから上野公園は飽きないし多くの人が四季折々時々刻々と変わる風景を楽しむ。そう言えば園内には猫も多い。どうでもいい猫たちがどうでもよく闊歩する人々を目で追っている光景はおなじみである。
率直に言えば上野公園は何度も行き過ぎて少し飽きてきている。飽きてきているにもかかわらず何度も足を運び写真を撮った。
12/31の大晦日。年末の上野公園に普段の賑わいはなかった。コートを着た人々が寒空の下少し早歩きで園内を歩いていた。
上野公園入口に建つ西郷隆盛像。背後の枯れた銀杏がややさびしかった。それでも威厳ある眼差しはいつもと変わらない。
上野公園にある清水観音堂は朱色がよく目立ちせり出した舞台は京都の清水寺を彷彿とさせる。大晦日の清水観音堂は静かに照りつける光を浴びていた。
暗くなると上野公園の道は灯篭で照らされる。小さな灯篭だが道端に置かれ道行く人に道筋を照らしてくれる。
上野界隈を渉猟しやっとの思いで辿り着いた上野花園稲荷神社。目的地は他でもないこの神社。早速中へと思ったら柵ががある。なんと閉園時間。中には入れません。埒外で指をくわえながらいつも変わらない花園稲荷の鳥居をシャッターに収めます。